Buongiorno!
みなさん、こんにちは!
カーサブォーナ 店長の渡辺です。
先日もご案内させていただきましたが、5月22日(日)に東京・白金台にあるイタリアンレストラン “ビッフィ・テアトロ” さんで、オリーブオイル生産者の “DECIMI” (デチミ) 氏と、イタリアソムリエ協会の認定オリーブオイルソムリエである藤野眞美さんを講師にお招きして、オリーブオイルのセミナーが開催されましたので、その様子をご紹介します!
デチミさんはイタリア中部、ペルージャが州都のウンブリア州で、最高品質のエクストラバージンオリーブオイルを生産しています。
オリーブオイルの名産地で丘陵地帯に草原や森が広がり古城の点在する素晴らしいところです。
彼は自社で管理する畑で採れるオリーブのみを使用してオリーブオイルを生産する「シングルエステート」という工程でオイルを生産しています。
要するに原料となるオリーブから搾油されるオイルに至るまで全てを管理していますので、自分の意とする製品を作ることができ、また出どころのハッキリとした信頼できるエクストラバージン・オリーブオイルを消費者に提供できるのです。
実はこのシングルエステートという管理方法、最近はコーヒなどでもよく話題に上っていますが、特にオリーブオイルを選ぶ上では重要なポイントの一つです。
というのも残念なことにイタリアではオリーブオイルの食品偽装が未だにとても多いのです。
例えば北アフリカ産のオリーブオイルにイタリア産のEXVオリーブオイルを混ぜて「イタリア産」とうたって安く販売したり、などなどなど。。
非常に安価で出回っているイタリア産のエクストラバージン・オリーブオイルの場合は少し注意が必要かもしれませんね。
話が少し逸れてしまいましたがデチミさんのオリーブオイルやその搾油工程なども高い評価をされていて、数年前にはなんとイタリアでNo.1の搾油所として表彰されたこともある凄い生産者なんですよ!
こちらがデチミさんです。
イタリア人にしてはシャイで真面目な方ですが、普段はとても物腰の柔らかい優しい方です。
まずイベントの始まる前にお料理のチェック。
今回は昨年からビッフィ・テアトロのシェフになられた菊地シェフが、デチミさんのオリーブオイルの個性に合わせたお料理を、このイベント用に3点ご用意してくれました。
《 Antipasto 》
*新玉葱のパンナコッタと北海道産アスパラガスの冷製スープ
《 Primo&Secondo 》
*フルーツトマトと白糠リコッタチーズのピッキャレッリ
*旬菜に包まれた神内ファーム仔羊のブラザート
《 Dolce 》
*十勝浦幌牛乳のニョッキとヨーグルトのソルベ、苺と柑橘のジュレ
もともと美味しいお料理にそれぞれ個性の異なるオリーブオイルをかけると、オリーブオイルの風味とお料理の味わいが計算されたかのように混じり合い、素晴らしい味わいになってお口の中に広がるようでした。
デチミさん曰く、イタリアでもこれだけ美味しいものは中々食べられない、素晴らしい!と絶賛されていました。
さて、イベントはまず藤野さんのオリーブオイルセミナーからスタート。
オリーブオイルの起源からその成分や体への良い働き、そして良いオリーブオイルの条件など、オリーブオイルを身近に使っていたりする方にはとても役立つ内容ばかりでした。
ちなみに私はずいぶん前から肥満気味なのですが(汗)、一番気になったのはオリーブオイルのカロリー数。
なんとスプーン1杯で90キロカロリーだそうです。
ポリフェノールが豊富で体に良いと言っても摂りすぎはダメですね!
そしてデチミさんが彼のオリーブ畑や工場をスライドを使用して紹介してくれました。
デチミさんのオリーブオイル工場の歴史は比較的新しくて2004年にわずか50本のオリーブの樹からスタートしました。
下は当時のオリーブ畑の写真です。(デチミさんのスライドから拝借)
そこから様々な苦労や試行錯誤を繰り返して、わずか10年でイタリアでNo.1の搾油所に選ばれるまでに至っています。
なお、現在は4種類のオリーブ(モライオーロ、サンフェリーチェ、フラントイオ、レッチーノ)を栽培していて、それぞれの特徴を生かしたオリーブオイル作りを行っています。
そしてこちらの写真はオリーブの収穫が終わってまさに搾油しているところだそうです。
この場所(コントロールタワーみたいなところ、と言っていました)で全ての工程を監視してオリーブオイルを作っている時が「一番素晴らしく充実した時間」だそうです。
本当にオリーブオイルを作るのが好きで全ての情熱を傾けていることがよくわかりました。
さて、一通りの説明が終わったところでデチミさんのオイルをみんなでテイスティングします。
オイルのテイスティングは馴染みのない方にはちょっとピンと来ないかもしれませんが、オイルと言ってもオリーブオイルはオリーブの果汁なので酸化していない品質の良いオイルはしっかりとオリーブの風味がしてサラッとしています。
だからオイルだけを口の中に含ませてもオイルっぽさが前面に出ずに味わいや風味を確認できるのです。
デチミさんのオリーブオイルは辛口から少しソフトなものまで3種類あるのですが、みなさん真剣にテイスティングをされていて、それぞれの個性の違いを確認していました。
ちなみにテイスティングの時はまず香りから、テイスティングのグラスを片方の手で蓋をして、もう片方で包みこむようにして温めます。
そして口に含んだら舌の上にオイルをのせて前歯の隙間からズーズーっと空気を入れるようにすると風味を最大限感じることができます。
上の写真だと手前から2番目のお客様がまさに蓋をしてオイルを温めてテイスティングの準備をしていますね。
今回はデチミさんのオイルの他にソムリエの藤野さんが一般的によく出回っているオリーブオイルを比較のために準備してきてくれました。
こちらはデチミさんのオイルに比べると明らかに風味が無く、オリーブの香りもほぼ感じられなかったので皆さんその違いにとても驚かれていました。
実際にはこの風味のないオリーブオイルが市場に出回っている多数を占めているので、こう言ったセミナーで本物のオリーブオイルを知っていただくというのは、普段販売している私たちに取ってもともて重要なことなのです。
さて、一通りのセミナーが終わった後にはお楽しみの菊地シェフのお料理です。
シェフのお料理はそのままでももちろん美味しいのですが、デチミのオイルをかけることによってオリーブの風味や辛みが加わり、更に味わいを引き上げてくれていて、みなさんもとても驚かれていました。
魔法の調味料、という言葉が実感出来たお食事だったと思います。
私は3品目のドルチェのヨーグルトの風味とオリーブオイルの相性がこれほど良いものなのかと驚かされました。
デチミさんは今回ご家族で来日されていますが、皆さんとても真面目で堅実な方々で、本当にオリーブオイルに全ての情熱を向けているということがお話の節々から感じられました。
5月からはラインナップも一新して、さらに100mlの小瓶も取り扱いを開始しておりますので、デチミさんが作った本物のイタリアン・エクストラバージン・オリーブオイルをお試しください!