ワインと添加物のお話し

本日はワインの添加物についてのお話しです。

以下の画像はワインの添加物について示しています。

イラストのタイトルはイタリア語で、
“Oltre l’uva, che ci può essere in una bottiglia di vino?” =「葡萄以外にワインに加えられるもの」という意味です。

細かく色々と書いてあるのは添加物の種類や醸造の工程について人が手を加えている項目です。

画像のボトルは一般的に流通しているワインを大きく4つのカテゴリーに分類していることを表しています。
それぞれのボトルに細かく書いてあるのはそれぞれのカテゴリに添加されている物質や製造工程についての記載です。
細か過ぎるので、日本語訳の詳細リストはこのブログの最下部に載せておきました。ご興味のある方はそちらをご覧ください。

ボトルは左から「従来のワイン」、「EU有機認証」、「demeter(ビオデナミ認証)」、「自然派ワイン」に分類されています。

一目瞭然ですが従来のワインとEU有機認証ワインはものすごい種類の添加物の使用が認められています。
なおここで表現されているイラストはあくまでも大枠を分かりやすく示しているものですので、実際にその物質が使われているかはワインによって異なります。

自然派ワインと ”demeter”

「自然派ワイン」に至っては自然醸造のもと、亜硫酸塩 (SO2) の添加しか行わないのが一般的とされています。
亜硫酸塩も含まれてはいるものの、醸造時に自然発酵するものか、もしくは法律で定められているよりはるかに少い量が添加されている場合が大半です。
なおここで「一般的」という言葉を使用しているのは、自然派ワインの概念は一定の基準というものが無いからです。

そして “demeter” はドイツに本部を置く世界最大のビオデナミの認証機関です。
農薬を一切使わず、バクテリアの力や地球や月の周期を利用して土地や農産物を力強く成長させるというのがビオデナミ農法の考え方で、もともとはオーストリアの科学者「ルドルフ・シュタイナー」が1920年代に提唱したのが始まりです。

家畜を使用して畑を耕したり、家畜の排泄物を肥料にしたりすることにより、畑の土壌が固くならずに健康な状態が保たれます。
品質の良い葡萄を育てるためには健全な土壌が不可欠なのでこれは非常に重要なことです。

農薬を使用しないので雑草も生えてきますがアヒルやガチョウなどの家畜を放つことにより適度な環境が保たれます。
話がワインの添加物から少し外れましたが、環境保護の観点から言うと究極のSDGsを体現していると言って良いと思います。

なお “demeter” 認証ワインも清澄(せいちょう)をする際に卵白を使用することは認められていますので、動物性のタンパク質を取得しないビーガンの方は注意が必要です。

この様に自然派ワインやdemeter認証ワインを始めとしたビオデナミワインの生産には、葡萄作りから大きく手間がかかり、更にワインの品質を保つためとして使われている添加物も殆ど使用されておらず、ワインの生産効率(歩留まり)は決して高くは無いですが、醸造の上手い生産者の手にかかると素晴らしいワインが生み出されます。

食と健康が大きく取り上げられる中、この様な生産方法は製品のプロモーションという観点からも非常に訴求力は高いですが、大量生産を主とする大手の生産者は生産効率や輸送時の品質管理の容易さが要求されるため、その規模を維持しながらこのジャンルに参入することは不可能と言って良いでしょう。

従来のワインとEU有機認証

「従来のワイン」や「EU有機認証」に関しては上述の2種類に比べると多くの添加物や工程が加えられていることが分かります。

醸造の進行をコントロールするための添加物や、添加物以外でも高性能のフィルターを使用して濾過をおこなったりすることで品質をある一定の基準内に維持することが容易になるので、特に大量に生産されるタイプには有効で生産効率も高くなるので価格も安くすることが出来ます。
また物流段階の過酷な環境でも品質に影響を受けることもそれほど多くはありません。

ただし、その分ぶどう本来の風味や果実味が失われてしまう場合も多く、場合によっては添加物の影響で飲んだ後に体が重くなったりすることもあります。

ワインを産業として捉えた場合、やはり葡萄を如何に効率よくワインにして出荷するか、という思考になるのは当然です。

しかし食の安全性や多様性が言われる現代においては一旦立ち止まって本来の味わいを楽しめる安全性の高い食品に着目するということはとても大事なことです。

本来の味わいが楽しめて安全性の高いワインを意識してワイン選びを行うのも楽しいことですよ!

ワイン添加物の分類

Reference source: Estratto di sito institut Français du vin
従来のワインEU有機認証demeter 認証自然派ワイン
亜硫酸塩
自然発酵
卵白
ベントナイト
活性炭
マイクロフィルターによる濾過
クエン酸
L (+) 酒石酸
L-アスコルビン酸
L-リンゴ酸D、Lリンゴ酸
乳酸
メタ酒石酸
バイポーラ膜装置による酸性化
蒸発濃縮
逆浸透濃縮
乳酸菌
重炭酸カリウム
亜硫酸水素カリウム
重亜硫酸アンモニウム
炭酸カルシウム
カルボキシメチルセルロース
セルロースガム
カゼインカリウム
カゼイン
キチン-グルカン
キトサン
クエン酸銅
ゼラチン
チアミン塩酸塩
二酸化ケイ素
リン酸二アンモニウム
電気透析
ベータグルカナーゼ酵素
アラビアガム
アクティブドライイースト
リゾチーム
酵母マンノプロテイン
小麦またはエンドウ豆から得られる植物由来のタンパク質
メタ重亜硫酸カリウム
オーク材チップ
濃縮果汁
精製した濃縮果汁
ポリビニルポリピロリドン
ペクチナーゼの活性化のための酵素
陽イオン交換樹脂
硫酸銅
硫酸アンモニウム
ワイン醸造タンニン
中性酒石酸カリウム
亜硫酸塩
自然発酵
卵白
ベントナイト
活性炭
マイクロフィルターによる濾過
クエン酸
L (+) 酒石酸
L-アスコルビン酸
乳酸
メタ酒石酸
蒸発濃縮
逆浸透濃縮
乳酸菌
亜硫酸水素カリウム
メタ重亜硫酸カリウム
重炭酸カリウム
炭酸カルシウム
カゼインカリウム
カゼイン
クエン酸チアミン
二酸化ケイ素
リン酸二アンモニウム
ゼラチン
アラビアガム
アクティブドライイースト
小麦またはエンドウ豆から得られる植物由来のタンパク質
オークチップ
濃縮果汁
精製した濃縮果汁
ペクチナーゼの活性化のための酵素
硫酸銅
ワイン醸造タンニン
酒石酸カリウム
亜硫酸塩
自然発酵
卵白
ベントナイト
活性炭
マイクロフィルターによる濾過
亜硫酸塩
自然発酵